話題の「涙活」発案者にインタビュー 

今後は「涙を病院に取り入れたい」

   

話題の「涙活」発案者にインタビュー 今後の展開は「涙を病院に取り入れたい」

「涙活」を発案し積極的にイベントを仕掛ける寺井氏

 悲しい時、辛い時、うれしい時。あらゆる感情が抑えきれなくなった時、その感情が形となってあふれ出てくるのが「涙」。私たちは涙によって、胸の内に抱えきれなくなった感情を表に解き放ち、心のバランスを図っているといって過言ではない。 現在、さまざまなメディアに紹介され注目を集めているのが「涙活」というイベント。発案者は“離婚式プランナー”として活躍する寺井広樹氏。能動的に涙を流す活動を「涙活」と呼び、心のデトックスを図る。毎月開催されているイベントでは、泣ける動画や泣ける話に特化した人情話を展開する“泣語”のほかアーティストとのコラボレーションで涙を誘う。

 実は、泣くことは医学的に睡眠や笑うことよりもストレス解消に効果的だと証明されており、「たった一粒流すだけで、一週間ストレス解消が続くと言われてる」ほど涙は絶大なパワーを持つ。

 そんな“涙”に寺井氏が興味を持ったのは、離婚式で遭遇した光景がきっかけ。「式では女性より男性の方が号泣されるんです。でも泣いた後はスッキリした表情をしているんですよ。それを見て、自分もそういえば泣いてなかったな、と思って一人で涙活を始めました」。それが昨年の11月ごろのことだ。

 本格的にイベントとしてスタートしたのは今年1月。参加者は20代~80代まで幅広い年齢層に支持されているようだが、「若い方が多いんですが、70代くらいの毎回来てくださる男性がいるんです。特に高齢の方だと、『男は泣くな』と育てられている世代なので最初は泣けない方が多いんですよ。でも何度も来てくださって。みんな泣いてるから男も泣いていいんだと思ってくださったんでしょうね」と会場でのエピソードを明かす。

 「一人でも、チームでも涙活してほしい」という寺井氏。映画や動画サイトで一人じっくりと感動作に触れる涙活だけでなく、チームで涙活するメリットを「お互いに共感しあえたことを認識しながら涙を流すっていうのがいいんです。もらい泣きができるのもいいところですね」と語る。また「彼氏や友達同士で来て、“泣きのツボ”が一緒かどうかチェックしている人もいますね。ご夫婦で参加していただくことによって夫婦仲が深まるということもあったようで、後日お礼のメールをいただきました」と期待していなかった涙の効果もあるようだ。

 

 一方で寺井氏は、自身の涙活スタート以来「すごく体調が良くなったというか。簡単に言うと風邪をひかなくなった。免疫力が上がったのかなと自分では思ってますけど。結構いいんですよ(笑)」と笑う。ちなみに寺井さんの涙腺を緩ませる鉄板ネタを聞くと「親子ものの動画や祖父母を思い出して泣くことは多々ありますね」と語るが、中でも映画『おくりびと』は「2秒で泣ける」そう。「『おくりびと』って、離婚式プランナーの仕事と似ているようか気がするんです。ストーリーも主人公が離婚式を始めた時の自分と重なる部分が多くて……。とはいえ葬儀と離婚式は全く違うものなので、皆さんに怒られてしまいそうですけど」と苦笑いを浮かべながらも、ベンチャー企業家らしい素直な思いも明かしてくれた。

 涙活の今後の展開について聞くと、「医学的にもストレス解消に効果があることが証明されていますし、医療に役立てない手はないなと思う」と。現在は“出張涙活”にも力を入れており「笑うことが体にいいから、高齢者施設や病院で笑いを取り入れてるところっていっぱいあるんですよ。でも涙を取り入れてる病院はない。本当に必要な人に涙活をしてもらえたら」と力を込めた寺井氏。底知れぬ涙の力を、涙活でぜひ体感してみてほしい。

 「涙活」の詳しい情報は、「涙活」公式サイトにて。また、11月4日23時58分~(初回放送)で寺井氏が企画・協力として関わる『タカトシの涙が止まらナイト』(テレビ東京)も放送開始する。

(取材・文:林田真季 ハリウッドチャンネルより)

 

先日、話題にした涙の効用ですね。

しかし何にでも「…活」って、つけてしまうとなんか抵抗を感じます。