五月病…実は?!

実は気分障害ということも…

こんな人だけがうつ病になるとは限らない!

5月頃に、やる気が出ない、気分が沈みがちといった状態になったら、「気分障害」という精神疾患の可能性もある。気分 障害には、比較的よく知られる「うつ病」や、暗いうつ状態と明るい躁状態を繰り返す「双極性障害」のほか、うつ病ほど症状は重くないが、2年以上の長期に わたって不調が続く「気分変調症」(気分変調障害)などがある。特に気分変調症は症状がそれほど重くないことが多いため、深刻な状況にはなりにくく、一時 的な落ち込みだと誤解される恐れがある。

気分障害のひとつであるうつ病は、かつて、几帳面、マジメ、完璧主義などの性格の人が発症しやすいといわれていたが、 そうではない人でも発症することがわかってきた。遊んでいるときは明るいのに、仕事中などはうつ状態になる「非定型うつ病」はその一例だろう。このような 人は、まわりの人もうつ病とは気づきにくいので、5月頃に発症すると「どうせ五月病だから、時間がたてば治るだろう」ととらえられてしまうかもしれない。

 

「おかしいな」と思ったら、すぐに病院へ!

体調や気分の異変が続くようなら、適応障害や気分障害などの可能性を考え、できるだけ早く病院に行くことが望ましい。も しこれらの精神疾患だとしたら、治療の遅れが症状の悪化につながりかねない。抗不安薬や抗うつ薬の投与などの治療によって、症状の改善が期待できるので、 いつもと様子が違うことを自覚したら、自分では判断せず、早めに医師に相談しよう。まわりの人には、心療内科や精神科の受診を勧めてあげると良いだろう。

学校や職場など、環境が絶えず変化する現代は、「自分には精神疾患なんて関係ない!」とは今や誰にも言い切れない時代。自分自身はもちろん、まわりの人がつらそうな様子をしていないか、絶えず注意して見てあげるようにしよう。