暖かな人間関係の大切さ

 

将来性がある男性の特徴って?


男性自身はもちろん、婚活をしていたり、彼との結婚を考えている女性なら、男性の将来性について1度は考えたことがあるのではないでしょうか。一般的には、高学歴など頭が良かったり、高い能力を持っている男性が「将来性がある男」「デキル男」というイメージがあります。

実際、どのような男性が将来性があり、仕事で成功するのでしょうか。ハーバード大学が75年間をかけ、268人の男性を追跡し、IQや飲酒の習慣、家族との関係など、あらゆる角度から研究した結果についてご紹介します。


■仕事で成功するのに重要な要素は?

一 般的には、「頭が良ければ成功しそう」というイメージがありますが、ハーバード大学の研究によれば、仕事での成功とIQはあまり関連がないようです。具体 的には、IQ110~115の男性の間とIQ150以上の男性を比較しても、収入の差はほとんどない、という結果が発表されています。

し かし、「暖かな人間関係を築けているか」という検証項目について高得点だった男性58人の年収は、平均して年間14万1000ドル(1440万円)と高 く、強い相関関係があるという結果となっています。また、「暖かな人間関係」を築けている男性は、そうでない男性に比べ、専門的分野で成功を収めた人が約 3倍もいたとのことです。

確かに、成功も規模が大きくなればなるほど、多くの人の協力を得る必要が出てきます。また、年齢が上がるにつ れ、個人的なパフォーマンスよりも、チームを率いて成果を出すマネジメント能力やリーダーシップが重視されるようになるので、多くの人が協力してくれる 「暖かな人間関係」を築ける能力の方が、IQや個人的な能力の高さよりも重要度は増していくと考えられます。


■幼少期の母親との「暖かな人間関係」はとても重要

また、同調査は、幼少期の母親との関係と年収の相関関係についても指摘しています。幼少期に母親と暖かい関係を築けていた男性は、そうでない男性と比べ、なんと年収が平均8万7千ドル(約890万円)も高いそうです。

対人関係の第一歩は母親との関係と言いますが、子供の頃の母親との関係は、大人になった時の人間関係や健康にも大きく影響し、それによって年収にも差が出るということが、この研究結果から示唆されています。

さ らに、幼少期に母親との関係が乏しかった男性は、歳をとってから認知症にかかりやすいという傾向も報告されています。既に結婚し、乳児~幼少期のお子さん がいらっしゃる女性の方は、お子さんの未来に大きく影響することを意識し、ぜひお子さんとのふれあいの時間を確保するようにしてください。


■女の子は父親のスキンシップで「男を見る目」が養われる

子 供が女の子の場合は、父親との関係が恋愛に影響を与えます。アメリカの心理学者、フィリス・K・デイビス博士の著書『パワー・オブ・タッチ』によると、子 供が女の子の場合、父親が乳幼児から愛情を持って触れていると、「愛情があって触れてくる男性と、そうではない男性とを区別できるようになる」とのことで す。

「いつもダメな男とばかり付き合ってしまう」という女性は少なくありませんが、もしかすると、上述のように父親とのスキンシップが少なく、「愛情があって触れてくる男性とそうでない男性」の見分けがついていないのかもしれません。

また、「娘が将来、ダメ男に引っかからないか心配」という、娘を持つお父さんも多いかと思います。もしそう願うなら、女の子が赤ちゃんのうちからスキンシップをたくさんして、「見る目」が養われるようにしましょう。


■何より大切なのは「人間関係」

以 上、ハーバード大学の大規模、かつ長期におよぶ研究結果と、『パワー・オブ・タッチ』の記載事項についてご紹介しました。これらの調査結果が示すのは、 「周囲の人と暖かな人間関係を築ける人」があらゆる意味で成功する、ということと、子供をそうするためには、親が幼少期に子供としっかりとした関係を築い たり、スキンシップをすることが重要、ということです。

競争が激しい現在の市場環境では、どうしても「勝ち残るためには、他人を蹴落とし てでも…」というような気持ちになりがちです。しかし、長期的にみると、そのような野心的な姿勢よりも、「周囲と暖かい関係を築こう」という姿勢の方が、 成功するためにはより重要です。パートナーとして選ぶ場合も、もちろん「暖かい関係を築こう」とする人を選んだほうが、幸せになれる確率は高いのではない でしょうか。

また、忙しいとどうしても子供とのふれあいは少なくなりがちですが、子供の将来にとって、両親との関係は大きな影響を与えます。なるべく時間を割き、子供と暖かなふれあいの機会を設けるようにしましょう。