歌と家族に支えられて・・・

昨夏、口数が少なくなり、人と会うことを避けるようになった。心配した母海老名香葉子さん(81)の勧めで病院で診察を受けたところ、「軽いうつ病」と診 断された。「人と会うのも避けているけれど、歌う時は平気です」と告白。薬を飲むなど治療を受けるが、診断後も歌ってきた。かつてのヒット曲「フライ ディ・チャイナタウン」を歌う時は力強く、以前の泰葉に戻るという。

 1988年(昭63)に結婚した落語家春風亭小朝(59)と07年11月に離婚。その後、過激な発言が注目され、慣れない事務所経営で金銭トラブルに巻き込まれたこともあった。「後悔はないです」。ただ、反省はあるという。「ちょっと、突っ走りすぎた」と振り返る。

 部屋にこもることも多いが、弟たちの優しさに元気づけられている。林家正蔵がジャズライブに誘ったり、林家三平夫人の女優国分佐智子もおいしい手料理を作るなどフォローする。「家族に支えられている。本当に感謝です」。

 「桜舞う日は」は、香葉子さんが45年の東京大空襲で亡くなった母と夢の中で出会い、涙を流した話を基にした。詞は母との共作だ。3月9日に香葉子さんが主催する東京大空襲の追悼イベント「時忘れじの集い」(東京・上野公園)で、「桜舞う日は」を披露する。


(日経スポーツより)