借金とうつ

借金が嵩んで「うつ」を発症する人たちがいます。


事業の失敗や連帯保証人になって抱えた借金など、理由は様々ですが、金銭問題による人生転落を味わい、うつ状態に陥る人の数は膨大です。


年間自殺者3万人、不明者や遺書を残さずに死んだ方々(自殺にカウントされていない)の数を含めると10万人以上が、死を選ぶ前に「通常とは異なる判断しかできないうつ状態」にあったと言わざるをえない方々で占められていることは、看過できない現実です。


中でも借金問題によって追い込まれ、容易に人がうつ状態に叩き込まれていくというのは、動かすことのできない真実です。


私が日ごろ残念に思うことは、詐欺まがいの手口や周囲の人による裏切りなどに遭われて、将来のために必要なお金を奪われていった方々が一向に減らず、むしろ増えており、人々の人生を台無しにしている悲惨な状態が、今日も続いているということです。


そして、それらの方々がせめて心を守るために「うつ状態」になってしまうことは、話を聞いているだけでも心を破かれていくような辛さを感じます。


「人は強い」と言えるのは、「希望」を持つ場合に言えることであって、借金で追い込みをかけられている方々は、明日への望みを断ち切られたと感じている方々ですから、「人は弱い」としか言えない状態に在る方々になっています。


様々な士業の方々が無料相談会を開いたりしているので、是非相談していただきたいと思います。また、私たちのように心のケアを行う専門家もいるので、「もっと大切なもの」を失う前に訪ねていただきたいと思います。


「万歳をする人生」だって、長い目で見れば「一時的なもの」に過ぎません。

「希望」を持つことを諦めないで頂きたい。必ず明日が来るように、今の状態も変わらず続くことはないのです。永遠に変わらないものなど、この世にはありません。


苦しみと絶望の日々は、必ず終わります。

今日は笑えなくても、明日か明後日には笑顔が戻ることもあるのです。


シェイクスピア『マクベス』のことばから

何でも起きるがよい。

時はどんな荒れた日でも過ぎていく。