症状による「うつ」の二つのタイプ

うつと一言で言っても、その原因は様々です。


最近の出来事だけでなく、長い時間をかけて発症する場合もありますし、精神的な原因ばかりではなく、遺伝的なものや性格的な傾向も関わってきます。


また、身体的な事柄が原因になる場合もあります。そして、それらが複合的に絡み合って起こることも考えあわせねばなりません。


原因については、個人差が大きく「これだ」と言うわけにはまいりませんが、分類については基準が定まってきました。現在では、うつの分類に関しては、アメリカの『DSM-Ⅳ精神疾患の診断マニュアル』という精神医学会作成による診断基準があり、それに基づいて分類を行うのが一般的になっています。


大まかにうつを分けると「大うつ病」と「気分変調性障害」の二つに分けられるでしょう。簡単に言えば「関心や感情消失」に始まる複合的なうつの特徴を含んでいるものが「大うつ病」とされ、その基準に満たない軽い抑うつが長く続いているものは「気分変調性障害」とされます。


名前を聞くと「大うつ病」の方が重篤な感じを持つ方が多いようですが、「気分変調性障害」の方が寛解に時間がかかり、薬も効きにくいという特徴がありますから、きちんとした専門家に判断を仰ぎ、自分の状態を確認された方が良いと思います。


どちらも長引けば長引くほど「人生を空しいもの」に変えてしまうものですから、診断については早め早めに対処されますことを強くお勧めいたします。