鬱病
うつ症状
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うつについて

 ※うつ病の方は、文字が頭に入ってこなかったりする場合があり、このページの長文を読むことができないかもしれません。そのような状態の場合は、読まずに予約をお取りください。

 

うつ病とはアメリカ精神医学会の定めた精神疾患の分析指数DSM-IVの診断基準をもとに診断されています。

 

典型的なうつ病の症状

気分が沈んでいる状態(うつ気分)
「ゆううつだ」「気分の落ち込み」「むしょうに悲しい」など思いなやむ状態。午前中にひどい状態で、午後から回復に向かう事が多い(日内変動)。

興味がわかず楽しめない(興味または喜びの喪失)
「何をしても面白く感じない」「人と話しをしたくない」「趣味すら楽しめない」など、関心や欲求が著しく低下した状態。

食欲の低下・体重の増減
「何を食べても美味しく感じない」「お腹がすかない」
食欲の低下と逆に特定の食べ物ばかり欲しがるようになる。

寝付けない、夜中や早朝に目が覚める(睡眠障害)
自分では起きる時間でないのに目が覚め、その後眠れない。

動作や話し方が遅い・イライラし落ち着きが無い
体の動きが遅くなったり、口数が減り、声も小さくなる。また反対に落ち着きが無く動き回ったりする。

疲れを感じたり、気力がわかない(易疲労性・気力の減退)
何もしてないのに疲れを感じる。気力が低下して何もする気がおきない。

自分に価値が無いと感じる(強い罪悪感)
理由もなく、妄想的に自分をせめる。

仕事や家事に集中したり、決断できなくなる(思考力・集中力の低下)
注意力が散漫になり、決断力の低下がおこる。あれこれと考えこんで何も決められない。

死んでしまいたいと思い悩む(自殺念慮)
気持ちが沈んで仕方ないため、死んでしまったほうが楽になると考える。

 

  うつ病治療に必要なことは、「薬」と「カウンセリング」

 

従来、うつ病には「薬」と「休養」が必要と言われてきました。
薬に関しては、近年の研究成果により副作用の少ないSSRIという薬が開発されて以来、SSRIの投薬治療が主流となっています。
 
休養に関してはどうでしょうか。
うつ病は、軽快期に自殺リスクが高くなるということが言われています。
 
うつ病は重い症状の時には、考えること自体が億劫になってしまうこともあり、自殺を実行に移すことさえままなりません。
 
しかし、投薬により少々元気が出てきた時に、例えば仕事を休んでいる自分のふがいなさに気がついてしまったり、将来を悲観的に考える力も蘇ってきてしまうということがあります。
 
つまり、自殺企図に加えて行動力が伴ってきた時期が一番危険であるというわけです。
にもかかわらず、ただ休養をしている(させている)なら、一番危険な時期に何のサポートも無い状態だとということになってしまいます。
 
休養自体は、治療期間中のストレスを極力減らすという意味では、うつ病に限らずどんな精神疾患の治療にも必要なことですが、大切なことは、その休養期間をいかに過ごすかです。
 
ぜひ、カウンセリングを利用しましょう。
また、うつ病は再発する場合もあり、カウンセリングによって再発の可能性を低くすることが重要であるとも最近では考えられています。
 
うつでお悩み

2つのうつ病

 

現代のうつ病は大きく2つに分けられます。

1つは、気分が落ち込み、あらゆる物事に対する興味がなくなり、喜びを感じることがなくなってしまうような、一般的なうつ病のイメージそのものです。

 

このタイプは、病前は責任感が強く、秩序を守り、時には少々頑固で、気分が落ち込むことは「弱いこと」だと感じてしまい、うつ病であることをなかなか認められないような方々の場合が多いです。

 

もう1つは、全般的に気分は落ち込んではいるものの、遊んだり外出すること自体にはさほど苦痛を感じることはなく、積極的に受診をして「うつ病」の診断書を求め、休職中に転職のための資格試験の勉強をしているといった、一見「わがままに見えてしまう」イメージのうつ病です。

 

こちらは、自分は正しく、責任は他人にあると考えがちで、理想を追い求め過ぎているようなタイプの方々であったりします。

 

前者は、誰の目から見ても精神疾患と認められやすいのでカウンセリングが必要ということに異論はないと思います。

 

問題なのは後者で、果たしてそんなわがままな人にカウンセリングが必要なのか、甘やかしていいのか、ということが最近話題となっていることが多いようです。

 

わがままとは何でしょうか、甘えとはなんでしょうか。

本人はなんの心配事もなく、幸せそうにしているでしょうか。

ほとんどの方の場合、うまくいかない感じを持たれて悩まれています。

 

責めて追い込んで問題が解決することも確かにあるのでしょうけれど、それには相当のリスクが伴います。

 

2つのうつ病のうち、「どちらが本物のうつ病か」といった議論は研究者にまかせておき、私たちは目の前の悩まれる方々の支援をしていきたいと考えています。

 

うつ病のカウンセリング

当ルームでは、4つのカウンセリング技法を段階的・選択的に用いて、計画的なカウンセリングを行っています。

 

それは、うつ病の方にも同じく適用されます。

 

うつ病の方に、いきなり家で取り組む課題を出したり、自分の苦手な部分にばかり直面するような心理療法はできません。

 

「うつ病には認知(行動)療法が有効」という情報ばかりが先行していますが、実際の認知(行動)療法では、支持的技法(例えば傾聴等)が重視され、あるいは具体的に認知的技法を用いる前提として含まれています。

 

当所では、それをわかりやすく、支持的・認知的・行動的とに区別しており、うつ病のカウンセリングとしてはスタンダードな取り組み方であると考えています。

 

「うつ」に関する言葉の違い

「うつ(状態)」と「うつ病」の違い

単にうつと言う場合とうつ病は違います。

例えば、うつを頭痛に、うつ病を風邪に例えるとわかりやすいようです。

 

風邪ではなくても頭痛は起こりますが、熱や咳などの症状も出れば風邪と診断されるでしょう。同じように、うつ病もうつという症状だけでなく、億劫感や何事にも興味がなくなるといった幾つかの症状が加わってはじめてうつ病と診断されます。

 

つまり、うつは単一の症状名でうつ病は総合的な診断名(病名)という違いがあるのです。

 

「うつ(状態)」と「抑うつ(状態)」の違い

実のところよくわかりません。むしろ、どのような違いがあるか知っている方がいましたら教えてください。実際の現場では微妙に区別して使っています。

 

うつと言う場合は、うつ病の症状の一つという意味で使い、抑うつと言う場合は、うつ病ではない精神疾患に付随する気分の落ち込みを意味していることが多いような気がします。

 

あるいは、うつと言う場合は、遺伝的な要因が考えられそうな人に対して使い、抑うつと言う場合は、ストレスフルな環境要因や心理的な要因が考えられそうな人に対して使っているような側面があるとも言えます。

 

先の例に従うならば、うつは頭痛、抑うつは偏頭痛といったところでしょうか?

 

偏頭痛は風邪とは関係がないように、抑うつもうつ病とは関係ないという感じなのですが、あまり根拠はありません。

 

「抑うつ状態」と「抑うつ気分」の違い

抑うつ状態と言う場合は、傍から見てその人が抑うつにあると判断することで、抑うつ気分と言う場合は、当人が感じている抑うつを表します。

 

つまり、抑うつ状態は客観であり、抑うつ気分は主観であるという違いがあります。

 

必ずしも両方見られるとは限らず、周りから見れば抑うつ状態でも本人は抑うつ気分を自覚できないことがあったり、本人が抑うつ気分を自覚していても、周りには抑うつ状態に見えないという場合があります。

 

うつであるかどうかは、本人にも周囲の人にもわからない場合があり、疑わしければ受診や相談をすることが早期発見につながります。

 

「憂鬱」と「うつ」の違い

「なんだか具合悪い」というのと「風邪っぽい」という違いのようなものでしょう。

 

憂鬱というのは単なる気分を表す日常用語で、うつというと病気のニュアンスが入ってくると考えておけばそれほど間違いはないはずです。

 

「鬱」と「うつ」の違い

意味の違いはありませんが、医療分野では鬱と漢字で書くことはなく、うつと平仮名で書くのがスタンダードらしいです。

 

3分診療ではその方が断然効率的なのでとても納得です。あるいは、医師はドイツ語には詳しい一方で漢字が苦手なのかもしれません。

 

「うつ病」とは言い得て妙な診断名

鬱という言葉は、そもそも「生い茂る」という意味です(鬱蒼、鬱陶しいなど)。

 

生い茂っているということは隙間がないとも言えるので、転じて正反対の「塞ぎこむ」という意味も表すようになったみたいです(鬱屈、鬱憤など)。

 

この2つの意味を持った鬱という言葉が、うつ病に本当にぴったりなのです。

 

古くから、あるタイプのうつ病になりやすい性格というのが知られています。

 

メランコリー親和型と言われる性格類型で、「秩序を重んじ、誠実で几帳面かつ熱心なタイプ」などと表現されることが多いです。

 

そういう人は、度が過ぎてしまうとたまに鬱陶しく感じられてしまうものです。

 

つまり、一部の塞ぎこみやすい人は、元々はワサワサと生い茂っているような活動的なタイプだということで、こうなるともう「鬱」という言葉以外には言いようがないのではないかということが言いたいわけです。

 

「○○うつ病」に騙されないように

新型うつ病、老人性うつ病など、最近はいろいろと耳にしますが、どれもあまり信憑性がありません。

 

唯一、非定型うつ病だけはしっかりとした病態が定義されていますので、覚えておいてもよいかもしれません。

 

カウンセリングでは、ちょっとした言葉の違いで気持ちが大きくすれ違ってしまうようなことはできるだけ避けなければなりません。

 

カウンセラーにとって言葉というのは本当に大切な道具なので、言葉の使い方にはこだわっていきたいと思います。また、当ルームでは、うつ病のご家族の相談にも対応いたします。お気軽にご相談ください。

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